**confection**
「美春、俊ちゃーん。起きて」
「んん〜?ももお?飲み過ぎちゃったあ〜」
「ほら、お水飲んで。俊ちゃんも、夜寝れなくなっちゃうよ」
むくりと起き上がった美春と、のっそりと起き上がった俊に、ももはミネラルウォーターを手渡しながら苦笑いを漏らす。
傍らでは、宗太が龍雅に蹴りを入れ、無理矢理に起こしている。
「なんだよ宗太ぁ、もっと優しく起こせよぉ…」
「キモイ事言うな。るぅに締め上げさせるぞ〜」
「今はヤメテ…気持ち悪いからすぐゲロっちゃう……」
「…キモっ」
なんとか全員起きたが、まだまだ夢見心地のようだ。
これから何をするかなんて決まってもないだろうし、予定もない。
いつものように雑談したり、ゲームしたり、テレビに突っ込んだりと、そんな感じで終わるのだろう。
……と、思っていた。
「二次会するか〜。もう飲まないけど」
「腹は?減ってねーだろう?」
…は?二次会?
まさかとは思うけど…場所移動??
てゆーか、こんな状態で二次会って……。
気力のなさそうな龍雅のセリフと、宗太ののんびりとしたセリフ。
遠巻きに成り行きを見守るが、こいつらの考えている事は、やっぱり理解しがたいモノがあるかもしれない。
「俊ちゃ〜ん?まだ寝てるの〜?」
「………Z。」
「美春。見とれてないで起こしてよっ」
美春の声にすら反応しない俊に、美春はニコニコとそのまま俊を見つめている。
さすがのももでさえも、呆れた顔をしていた。