**confection**
イガグリの話を聞いてから、毎日のように気になって仕方がなかった。
いつ、ももが呼び出されるか。
どうやって2人で話をしたりするのか……。
それを知った所で、俺には何もできないのに。
目の前が、真っ暗になったようだった。
頭から血の気が引いていくように、サアッと冷や汗が噴き出しているみたいだ。
どうする?
なんて言えばいい?
俺はなんて声を掛ければいいんだ?
でも、そんな俺の思考をストップさせたのは、予想外なももの言葉だった。
「宇佐見…って、誰??」
「………は」
う……う…さみ?
イガグリ…もとい。てっきり栗本の名前が出てくると思っていた俺は、まるで初めて聞く言葉でも耳にしたように、言われた意味が分からなかった。
それはもう、まともに反応すらできない程に。
「宇佐見…違うクラスの人かな?でも私、他のクラスに知り合いなんて美春ぐらいしか……」
うーんと唸るももは、本当に真剣に悩んでいるようだ。
一緒になって悩みそうになった所で、ハッとして意識を引き戻す。
一緒に悩んでる暇じゃねえ。
イガグリじゃなかったにしろ、ももが呼び出されたには違いねえんだ。
それにしても…こんな短期間で見ず知らずの奴に呼び出されるなんて、やっぱりモテるんだなあ……。
なんて、無意味に感心してしまった。
って、だからそうじゃなくて!!!!
「な、なんて書いてあるんだ…?」
思い直した俺は、動揺が悟られないよう、当たり障りのない言葉でとりあえず回避した。
この時点で俺は、心臓が壊れそうな程暴れていた。