**confection**
「えーっと…昼休みに、屋上で…」
「……ふーん…」
昼休みに屋上…か。
随分と大胆な場所を選んだモンだな。
昼休みの屋上と言えば、他にも生徒が集まって思い思いに過ごしている場所だ。
そんな賑やかな光景を思い出していた俺に、ももの声が届く。
「なんだろう?シメられたりするのかな…」
………。
少し強張った顔をするももの横顔に、思い切りずっこけそうになる。
……おいおい。そんな賑やかな人気が多い場所で、わざわざ呼び出してシメるような馬鹿いるかよ。
てか、マジで言ってんのかよ。
「間違いなく…シメられはしねえだろう」
「かなあ?え、じゃあもしかして告白とか?」
「…さあな」
んな事、俺の口から言わせんな。
とは言えず、曖昧に返事を濁した。
あまり重大には受け止めていない様子からも、深くは考えていないらしい。
と言うか、どちらかと言うとむしろ慣れているようにすら感じる。
多分、この手の呼び出しは、初めてではないような気がした。
そりゃそーだよな。
美春からも彼氏が居たって話は聞いてるし。
美春が話したニュアンスからして、どうやらももから告白なんてしたとは、到底思えなかった。
となると、どれも相手から告白をされてきたのだろうと、簡単に答えは出てしまう。
じりじりと胸が焦げるようで、それっきり口を閉じてしまう。
内心、めちゃくちゃ動揺しているのは、苦しい程の胸の激しい鼓動が証拠だ。
「いや、違うかな…」
悩んでいるようなももの唸り声に、再び鞄にボンと頭を乗せてももを見つめた。