**confection**
こういう時、周りではしゃいだりしたりすんのかな。
呼び出しされた奴を囲んで、いろんな憶測で盛り上がったり、呼び出した奴の話なんかしたりして。
そんな呑気な事、俺にはできる余裕なんてない。
本音を言えば、ももが見つめるメモなんて取り上げて、ビリビリに破いてしまいたい。
何も考えんな。って。
言ってしまいたい。
「おっはよー!!おっ、ももにるぅ!!今日もはえーな!!」
「龍雅うるさい…」
朝から騒がしい声に、ゆっくりと首を巡らす。
龍雅の騒がしい声に、宗太の迷惑そうな声。
いつものやりとりが聞こえてきて、視線を向けた。
何の気なしに目に入った時には、龍雅が鞄を自分の机に置いて、こちらにずかずかと向かってくる所だ。
「んげっ…るぅすげえ顔」
目が合うと早々に、すぐ近くまで来た龍雅が怪訝そうな表情でポツリと呟く。
顔?顔は生まれつきだからしょーがねえだろ。
と、言葉が飛び出しかけて、グッと言葉を飲み込む。
やたらイライラして、胸がモヤモヤする。
無意識に溜め息なんかも出てくる辺り、俺は相当イラついているらしい。
「おはよ。今日もうるさいね」
「サラッと毒吐くよねー!!それにうるさいじゃなくて賑やかと言いなさい!!」
ももの言葉にうまく機転を利かせると、龍雅はもう笑顔に戻っていた。
多分もう既に、龍雅は何かあったと察しているに違いない。
そして内心、龍雅と宗太の登場は、俺にとって何だか救われるような気持ちが沸いてくるようだった。