**confection**
「やべえ〜やべえよ先輩!!俺恋しちゃったよお〜!!」
騒がしく近付いてくる龍雅から逃げるように、自分の机に座り込む。
本当に、コイツの頭の中は、典型的な人間の年中フルに発情期なのだろう。
「…始まりのない終わり…だな」
「なんと!!」
無理やり付き合わされたらしい宗太が、笑顔で毒を吐く。
そんな2人の様子に、ふわりと笑うももが眩しくて仕方ない俺も、実は龍雅と変わらないのかもしれない。
って嫌だけど。
年中フルに発情期とか、猿でもねえぞ。
猫でも盛りってモンがあるし。
こうして龍雅とももが並ぶ姿を客観的に見てみると、飛び抜けて目を引く容姿のももと、男の俺でも素直に格好良いと思う(黙っていれば)龍雅が並ぶと、まるで何かの雑誌を切り抜いてきたような程、絵になる2人。
何とかして龍雅から声を消してしまえば、それは正にお似合いのカップルのような、そんな感じにまで見えてしまう程の美男美女。
俺とももは、周りからどう思わ……見られてんだろう。
それにしても………。
「いや〜やっぱりたこ焼きはソースだろう!!ソース!!」
「え〜?醤油にマヨネーズだよ」
「マヨは許そうマヨは!!でもやっぱソースだろう!!」
「あ、エビとかホタテも入れたら美味しいよね」
「なんだソレは!!ももは天才か!!」
「え?美春がよく作ってくれて…」
こんなにもたこ焼きで盛り上がれる2人に、ある意味凄いとすら思えるから不思議だ。
それでも、着飾る事もないからこそ、こうして俺も居れるのだろう。
「なんだ。さすがに龍雅相手じゃあ、るぅも妬かないよなあ」
「だって下心ねえだろう?アレ」
「まあなぁ」
…………。
………ん?
……あれ??
「アレでも一応、空気読んでんだぞ」
………あれれれ?