伝えたいんだ
「寒いなぁ」
こんな日、あなたはどうしてますか?
――幼馴染みの、五歳年上のお兄ちゃんで、名前は笙多。
だから私はいつも、笙ちゃんって呼ぶ。
私は、彼が、大好きだ
もう今日伝わらなかったらヤメにしようと思う。
ずっと、妹のような扱いだったことは、自分でも分かっている。
どこか愛おし気に向けてくれていた目も、妹のように見てただけのこと。
実際、その時、笙ちゃんには彼女がいた。
美人で、賢そうで、それでいて、優しそうな人。
笙ちゃんは小さい頃から人懐っこいからか人気はあって、中学高学年、高校と、時間がたつにつれ、所謂イケメンというカテゴリーに入っていた。
実際かっこよかったし、優しいし、頭も良くて、社会人になった今でもエリート街道まっしぐら。
そんな彼を私が好きになるなんて、身の程知らずもいいとこ。