伝えたいんだ
でも“好きだ”と気付いたときには気持ちは膨らみすぎていて。
伝えたくて、
伝えたくて、
結局何度も、伝えた。
だけど決まって笙ちゃんが返す言葉は、
『ありがと。俺も結花のこと好きだよ』
最初の最初は、この言葉を真に受けて、やっと気持ちが通じたんだと嬉しくて嬉しくてその日は眠れなかったのを覚えてる。
そんなこと、ないのにね。
次の日も、次の日も、私に対して態度も何も変わらないのを見て、気付いた。
あなたが言ったこと。
『俺も結花のこと好きだよ』
っていう言葉には、
“妹みたいに”
の言葉が挟まっていたということを。
相手にもされないってこんなにも辛いことなんだ。
なんなら、アッサリ振られてたほうが良かったよ、なんて思う私は、どこまで自虐的なんだろう。