月の果て
「それより、ソフィは何者なんだ?この城で見たことないんだけど…」
「あっ!私は、スクルジア王国の姫よ」
とソフィは、思い出したように言った。
トラキアは、しばらく固まって
「今、なんて?」
と疑いのまなざしをソフィに向けた。
「だから、スクルジア王国の姫──…」
とソフィが言い掛けると
「ソフィがっ!?」
とトラキアが先に驚愕した。
「なによ…」
ソフィは、そう言って頬を膨らませた。
「あ、悪い……じゃなくて。数々の失態誠に申し訳ありませんでした」
とトラキアは、片膝をついて頭を垂れた。
そんなトラキアにますますソフィは、不機嫌になった。
「もう!さっきまで普通に話していたのに急に態度をかえるなんて酷いわ」
とまでも言った。