何処にでもあるラブストーリー
 「そうだよ、よく知ってるね。」僕はそう答えた。

奈緒子は、指でブリッチを作り、2番の球を狙っていた。 若々しい艶のある髪を一まとめにしてキューを構える奈緒子の姿勢は結構、様になっていた。 打つまでに、奈緒子は何度か僕の方に、振り返り、何事か言っていた。 

奈緒子は勢いよくキューを衝いた。 カチッという音と共に、キューは手玉を外れキューの先ではなくお腹で、手玉を叩いていた。 初心者がよくやるミスで奈緒子もそれをやった。
 手玉は3センチ横にだらしなくずれた。 僕は、外れた手玉を掴んで元の位置に戻した。 
「大丈夫、今の店員さんが、見てなかったから、打ち直して問題ない。」 
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