何処にでもあるラブストーリー
「とりあえず、この仕事だけ片しちゃうから、7時半にここを出て二人で飲みに行こう。」駿はそう言ってくれた。

西野 駿と私は、エスニック料理屋にいた。 もともとは缶詰工場だったという店内は、天井の高い古い作りだった。 

古いトタン屋根の部分や、油で汚れた壁や赤くさびた手すり・・・その辺の渋いところが、この辺の若者に受けている。 

この日、会社帰りの若いサラリーマンが多くいて店が混んいた為、私たちはテーブル席には座れず、カウンターに座った。

テーブル席に座るよりカウンターの方が駿との距離がちょっとだけ近いので、少し嬉しかった。 
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