父さんと僕
「――もっと話を聞きたい」


 どうやら私の話に興味を持ってくれたみたいだ。続きを聞かせろってせがまれるとは予想していなかった。でも、腹が減っては戦はできぬ。


「後で続きを話すよ。まずはご飯を食べよう。な?父さん中華料理食べたいから、王将でいいか?」


「うん」


 妻にはもう昼ごはんは外で食べると伝えている。だから、外で食べる。


「じゃあ行こうか」


 いつもと違う場所で話すとやっぱりいつもと違うことを話してくれるからだ。
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