父さんと僕

3.天木雄太

 部屋に入ってしたことといえばベッドの中に飛び込んで涙を流すだけだった。


「くそっ!畜生!」


 殴られた頬は、腹は、腕は、足はとても熱い。顔には油性ペンで落書きをされた。鏡を見たけれど額に肉と書かれていた。ふざけやがって――!


「なんで…僕なんだ」


 去年まではこんなことはなかった。
 普通に友達もいたし、毎日楽しく学校に行っていた。まぁ、勉強は楽しくなかったけど。


「なんで――」


 それなのに今年からおかしくなった。


『もやし野郎!学校来んな――ギャハハハ!』

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