バレットフィンク
タケシは余りの不甲斐無さに、枕を夜通し三日間濡らし続けた程の強烈な屈辱を味わう事となってしまう。


カオルを加入させる事によって、確実にステップアップ出来ると思えた、あの時感じた確信に近いインスピレーションは、見事なまでに外れてしまう事となる。


タケシの胸中で、レーベルの人間と最後に交わした会話が思い出されてならない。



「君達は演奏面ばかりに捕われ過ぎているんだよ」



「要するに、各自が持っている個性と感性が以前の様に、楽曲面で更に生かす事無く、寧ろ殺してしまっているんだよ。それが本当に残念でならない…」



思い出す度に容赦無く胸を貫いて、鋭利で鈍重な苦痛を伴い続けて止まなかった…。



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