バレットフィンク
翌日からタケシの生活は乱れ始めて行く。バイト先に



「暫くの間休ませて貰います…」



と、一方的な電話を入れて受話器を下ろした。


両親はタケシの唐突な変化に困惑してしまい、いつもの小言は止めて仕事へと向かって行く。


昨日、有り金全部を酒に注ぎ込み、様々な種類の酒を部屋へ持ち帰ると、早速タケシの酒浸り生活が幕を開ける事となる。



もう、音楽の事など一切考えたくも無かった。少しでも考えたり、思い出したりすれば瞬時にメンバー達の顔が浮かんで来て、心底から耐えられない。



彼の人生に於いて、初めてとも言える大きな挫折に、彼は刃向かおうとするどころか、完全に敗北の旗を振り翳していたのであった…。



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