バレットフィンク
すると学は、傍らに置いてあったギターを抱えると、座りながら弾き始める。


「ピックを握ってない指で、こうやって指弾きするんだ」


と、多少ぎこちない演奏ではあったものの、タケシは十分過ぎる程理解出来た。


タケシは、改めてザックの凄さを思い知らされてしまう。流石は


「未完の大器!」


と、ファンから謳われるだけの事はある。そんなプレイをザックは19歳で弾き倒していたのだから本当に素晴らしい。


「どうだ、諦めたか?」


そんな学が見せる意地の悪い問いかけに、タケシが更に興奮しながら


「諦める訳無いだろ!俺の胸は今、沸々と燃え上がる希望の炎で満たされているんだ!」


「俺は必ずザックの様なギタリストになってやるぜ!」


と、意気軒昂に裸祭りの烈しさを彷彿とさせる勢いに乗りながら、学を相手に、一生懸命語り掛けていた…。



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