せんぱい,好きです




「……あ」

「──あお、どうかした?」



あたしの視線の先には、
白いユニフォーム姿に身を包み、汗を流し、真剣な顔。



「あれ……、健斗くんたち?」
「──ほんとだ。
 さっき、ああいう話してたから、なんか行きづらいなあ」



夕木は、切なそうに
そう独り言のように、呟いた。
やっぱり……、夕木は今でも……。

違うよね。
もう別れたって言ってたし。
過去の人なんだよね?



だけど、
過去の人って言っても、過去にしたくないんだよね?
でも終わってしまったことを引きずるのは、イヤなんだよね。


あたしも、物凄くわかるよ。



「──あ!!
 夕木ちゃんじゃね、あれ!」


向こうで、タカくんの声がした。
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