独眼狼ーワンアイウルフー
少し静まりかえった空気を一掃するかのように、霧兎が咳払いをする。
「えーっと、特殊型らしき機械獣が現れたのはラシェード平野。現在は第二軍師団が交戦中だよ」
「数はどのくらいですか?」
コハクが尋ねると、霧兎は散らかりっぱなしの自分の机から一つの資料を摘みあげた。
「数はいつもと変わらないぐらいだねぇ〜。ただ、個々の戦闘能力が高いらしいよ」
「つまり…この前レクス達が戦った、王宮直属軍が来てるって事なんですね」
「そういう事さ。だから特殊型も居るんじゃないかと思ってねぇ〜」
霧兎が資料を机の上に放り投げる。
腕を組み、霧兎がレクスに話しかけた。
「…ジアンス博士から聞いたんだけど、ケルベロスは出撃は可能なんだね」
「……あぁ」
「だけど、緊急で修理したから無理は厳禁。無理にケルベロスを動かせば戦闘に支障が出るだけじゃなく…再び右前足が分離する」
その事実を知らなかったコハクとタスクは目を見開いた。