独眼狼ーワンアイウルフー
ラシェード平野に向かう途中、レクスが気になっていた事をケルベロスに問いかけた。
「……ケルベロス、この前出撃する時に様子がおかしかったのはなんでだ?」
レクスからケルベロスの顔は見えない。
それでも…微かにだがケルベロスが動揺したような気がした。
『……感じてたんだ…』
「…なにを?」
『何かの気配を…。あの時はそれがなにか、分からなかった……』
「ケルベロス、お前まさか…フェンリルの気配を感じてたのか…?」
ケルベロスは応えない。
それが肯定を表すのだと、レクスは理解していた。
「…そうか」
『すまない、レクス…俺があの時言っていたら…』
「…気にするな。過ぎた事をとやかく言っても仕方ない……あいつに負けたのはお前のせいじゃない…」
『…レクス』
レクスが拳を握る。
「俺のせいでもある…だから気にするな」
『……ありがとう、レクス』
それからラシェード平野に着くまで、レクスとケルベロスは黙ったままだった。