独眼狼ーワンアイウルフー



「突然だったの…琥珀が軍に入る、なんて言い出したのは」


ヒスイがテーブルに置いてある、残っていた写真立てを手に取った。

それから昔の事を思い出すように、写真を見つめながら言葉を溢していく。


「お父さんもお母さんも反対したわ。大事な娘を戦場なんかに行かせたくない、ってね…」


レクスは写真から目を離し、ヒスイの方を見た。

ヒスイは少しだけ…悲しそうに、微笑んでいた。


「でも琥珀も諦めなかった「あたしは自分の手で家族を守りたいの!!」…なーんて言ってね」


凄いでしょ?とヒスイから話をふられ、レクスは頷く。


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