独眼狼ーワンアイウルフー
「あの子、一度言い始めたら止められないから…。結局、軍に入る事が決まったの。コレが軍に入る前日の写真…」
ヒスイが、手に持っていた写真立てをテーブルに置き直した。
「私ね、あの頃は普通の病院に勤めてた看護師だったの」
「…軍関係の病院ではなくて、ですか?」
レクスの言葉にヒスイは、ただ頷いた。
「そう、軍とは何の関わりのない民間の病院。でもね私、考えたの…「琥珀が…妹だけが、頑張ってて良いのかな?」って」
ヒスイはコハクを見つめた。
「琥珀が頑張るなら私はせめて…その背中を、支えてあげなきゃいけないかな?って思ったの」
「…それでココに来たんですか?」
レクスが尋ねると、ヒスイは微笑んだ。
「そういう事。で、レクス君が持ってるのが…私がココに来る前の写真」
ヒスイは、レクスが持つ写真に目を向けた。
「それ、私の隣が空いてるでしょ?」
「…はい」
「こんな風に写そうって言ったのは、お母さんだったの」
「コハクの…お母さんが……?」
ヒスイが頷く。