君は君のままでいて
「入るぜ………って。
何やってんだよ?
ふたりっきりで密室籠もって、抱き合って?」


そこへノックもせずに、急に局長室のドアを開けて、ひとりの人物が入ってきた。


「あ、緑風。」


「あらん、みいちゃん。」


僕と局長が同時にその人物の名前を呼ぶ。


がっしりとした体格。


高い身長に、爽やかなイケ面系のマスク。


どこから見ても、格好いい今時の若い男性………なんだけど。


実はこの人物が、僕の奥さん。


局長の一人娘で、名前は大地 緑風(だいち みか)。
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