君は君のままでいて
緑風はちょっと機嫌悪そうに、手にしていた書類を整理したファイルの並んでいる局長の机の上に乱暴に置くと、僕の腕を捕まえて強く自分の方へと引き寄せた。


「オフクロ………何度も言うようだけどさ、美樹は俺のなんだからな。」


すっぽりと緑風の腕の中に納まってしまった僕の事を両手で抱き締めながら、緑風は局長………お義母さんに冷たい視線を送った。


「み、緑風っ!
なんにもしてないってばっ!
誤解だよ、誤解っ!」


僕は慌てて否定するけど、緑風はまだお義母さんを睨み付けたままで。


あーん、もうっ!


僕の話を聞いてようっ!
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