another contract

「桃と“契約”したのはお前だな?紅」
「ああ、俺以外に誰がいるってんだよ」
「お前、全部知った上でこんな事したのか?」
「もちろん。知らなかったらしねぇだろ、普通」

桃、お前が自由になれるなら‥‥

「紅、それなら分かってるな」



『雇っとる“餌”と“契約”したら‥‥死ぬまで、何処かに閉じ込められる』
『はぁ?でもなかなか死なねぇだろ?』
『いや、“契約”する前に飲んだ血は、“契約”してからは全て無効になるんじゃ。つまり、消えるんじゃよ』
『って事は‥‥』
『“契約”して、3日以内に何か飲まなければ死ぬなぁ』
『‥‥』
『または意識を失って、身体が暴走するかもしれん。もし暴走したら、だいたい30分以内に血を口にせんと、死す』



タイムリミットは、あと72時間。



「時期この家を継ぐ者はお前しかおらんが‥‥、構わん」

それまでに桃に会えるなんて思わねぇ。
死ぬのが怖いとも、感じねぇ。



『“契約”した“餌”と“吸血鬼”は、二度と会えんようにされるんじゃ。‥‥二度と』



二度と会えない、か‥‥。

ははっ、やっぱり最後に笑った顔、見たかったな。
命を掛けてもいいって思う程、桃の事をいつの間にか好きになっていた。
『好き』という言葉では、表わせないくらいに好きなんだろうな。

でも、桃には何も知らないまま生きていって欲しい。
事実を知ったら、きっと自分を責めるだろうから。

「紅を離れの物置にに閉じ込めろ!そしてそこから出てくる時は‥‥」



死んでからだ。





‥‥本当に、さよならだ。
桃‥‥。



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