Bitter Love〜苦くて切ない恋〜
「ねえ」

あたしは中沢さんの腕に手を回した。

「もう1回、言ってくれませんか?」

上目づかいで、中沢さんを見た。

中沢さんはクスクス笑った。

「気に入った?」

笑いながら、中沢さんが聞く。

「すっごく」

中沢さんは笑顔を隠すように、横を向いた。

「中沢さん」

腕に回す手を強くした。

「ねえ」

覗き込むように、横を向いた中沢さんを見ようとした。

あたしが覗き込むのを待っていたと言うように、中沢さんが唇を奪った。

甘くて深いキスを、楽しむ。

唇が離れた。

目が合う。

「ジュテーム」

あたしの目を見ながら、中沢さんが言った。

あたしの中で、“特別”が増える。

「ジュテーム」

中沢さんの目を見ながら、あたしは言った。

また中沢さんが、唇を奪った。

“ジュテーム”。

フランス語で、“愛してる”。

そして、“特別な言葉”。
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