Bitter Love〜苦くて切ない恋〜

さようなら

「いらっしゃい」

中沢さんが迎えてくれた。

すぐに寝室に行こうとする中沢さんの腕をつかむと、
「今日は、話があるんです」
と言って、呼び止めた。


「何?

話って」

ソファーに腰を下ろしたのとほぼ同時に、中沢さんが言った。

膝のうえで、ギュッとこぶしを作った。

もう、決めたんだ。

焦るなと、自分に言い聞かせる。

「…別れて、ください」

中沢さんの目が、大きく見開いた。

「無理だってことは、わかってます。

でも、考えて決めたことなんです」

考えて考え抜いた末の答え。

あたしには、それしかできない。

「けど、中沢さんのことは、大好きです。

その気持ちは、変わりません」

中沢さんが好き。

その気持ちは、本当だった。

あたしの目から、涙がこぼれ出した。

さっき芯の前で、あんなに泣いたのに…。

まだ残ってたんだね。

「中沢さんが好きだから、中沢さんには、幸せになって欲しいんです…」

声が、涙で震える。
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