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「もう、あんたって人は」

昔から勝手に話進めるんだから。

華はここで初めて、俺に笑顔をみせた。
‥‥い、痛いけど、何か嬉しいわ。
俺は華と向かい直した。
大切な事を、ちゃんと伝え直す為に。

「なぁ、華」
「待って。言わないで」
「何でや」
「‥恥ずかしい」
「んな事訊かんっ!!」

俺の言葉を聞いて、耳を塞ごうとするその手を掴み、華と目を合わせた。

「金司は全部直球だから、恥ずかしいのよ」
「俺は恥ずかしかないで」
「‥一番の問題はそこね」

華は呆れた顔でガックリと肩を落とした後、降参。と苦笑した。

「俺な、お前がさっき“前世”がどうでもいいって言うたけど、俺自身も関係無いて言うたけどな」

“前世”があるから俺らがここにおる。

「せやから俺な、矛盾しとるけど“前世”を覚えとった方がええと思う」
「‥‥そう、ね」
「俺、早くに逝ってしもたからなぁ。やからやりたい事た~くさんあるねんで?」

俺は華に二カッと笑いかけると、華は深いため息を付いた。
そして呆れた顔を俺に向けると、人差し指でビシッと俺の口元を刺す。

「その先言わないで。絶対に言わないで」
「何でや」

まだソレっぽい事も口に出しとらんてのに。

「言ったら、『変態がいる』って叫ぶわよ」
「俺の言いたい事分からんくせに」
「分かるわよ。どうせ‥」

子供が欲しいって言うんでしょう‥?

は、はははは。
何や、コイツは。
俺の言いたい事、ぜ~んぜん



「分かっとるやん」



流石、華やなぁ。
と呑気に思っとったら華は『変態がいる』と叫ばずに、代わりにまた愛の鉄拳を俺にくらわせた。
‥‥これは痛いで。

「でも、ええんやろ?華」

鉄拳が落ちてきた頭ん天辺をさすりながら訊けば、直ぐに目を頭ごと反らしてそっぽを向かれる。

「し、知らないっ!!」

知らんふりするという事は、ええという事。
昔からお前はそうやったな。



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