紫陽花
「ねえ、太陽


あたし


太陽の支えになりたい」





太陽は今夜も何も言わなかった。


ただ膝に頭をおいて
風鈴の音に耳をかたむけながら


静かにしていた。



こんな日だって
太陽が気になるけど


泣き顔を見つめる勇気はないから


ひとりで話しながら



星空を眺める。



「今日は、久しぶりに星が見えるよ


雨ばっかだから気づかなかったけど


すごくきれいだよ」



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