うちの所長知りませんか?

おまけ

数日後――

こないだできなかった真美ちゃんの占いをしてあげようとした時。

「大変なの大変なの大変なのぉ〝女帝〟!!」

今日はなんのつもりか、黒髪をフアッフアにカールさせた白鳥さんが飛び込んできた。

「聞いてちょうだい〝女帝〟、所長がまたどこかに消えちゃったのぉ!! もうどうしましょうっ!」

あーなるほど。今日はお嬢さまキャラですか。

「し、知りませんよ。……あ、まさかまたこないだみたいな陰謀じゃないですよね?」

「違うわ、今日はね、ただのサボタージュ」

なお悪いね、それ。

「お願いお願い、所長を探すのに力を貸して〝女帝〟ぃ~っ」

「わ、わかりましたわかりましたよ。もう強引だなぁ」

「うふふっ、さすが頼れるのね〝女帝〟」

僕は仕方なく立ち上がり、溜め息ひとつ。

「手伝ってあげますから、だから占い部では〝女帝〟呼びはやめてもらえませんか?」

「あら、そんな些細なこと気にしなくっていいのぃ。さ、早く探しに行きましょっ!!」

「はいはいはい」

「うあー」と憐れみの目で見送ってくれる真美ちゃんにごめんねと合図を送り、僕は教室を出た。

そして白鳥さんは叫んだのだ。

「うちの所長知りませんか――!!」
< 47 / 47 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

たぶんきっとおそらくだけど彼は来ない
紅 憐/著

総文字数/1,477

恋愛(その他)2ページ

表紙を見る
-Gulen-
紅 憐/著

総文字数/8,046

絵本・童話25ページ

表紙を見る
今宵、桜と月の下で
紅 憐/著

総文字数/3,047

恋愛(その他)8ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop