LAST contract【吸血鬼物語最終章】
「浦さんは、もうそんな事しない」
そんな事言って‥。
根拠は何処からくるのか‥
「だって、沢山後悔したんでしょう?」
「‥え?」
「一緒に帰った時、暗かったから気のせいかもしれないけどね、目が赤かった」
だから、泣いていたのかなって‥。
スミレは、全て御見通しだった。
いつも、格好悪い自分を見て、
いつもいつも、僕のすべてを見透かす。
憎たらしい。
そう、思うくらいに。
けれども、その分僕を見てくれているって事。
それは、嬉しくて堪らない事。
「まったく、お前にはお手上げだ」
頭をくしゃくしゃと撫でれば、スミレは目を細めて笑った。
さて、そろそろあの子が来る時間だね。
「葵様っ!」
嘘がばれたとも知らない鳩羽ちゃんは、入ってくるなり一直線に僕の所に来た。
そして、スミレには眼飛ばし。