いとしいひと


とりあえず、朱里ちゃんの家方面へ向かった。


…電話した方がいいか?


出てくれるのか…


「ギャハハハハ」


その時、こっちへ歩いてくる高校生の集団。

はぁ…うるせーな。


しかも歩道占領して歩いてるし。

…しかも俺が行ってた高校だし。


こーゆーヤツらがいるから印象悪くなるんじゃねーか!?

朱里ちゃんが通ってる学校だから尚更気になった。


そんな事を考えていたら入って来た話し声。


「お前、永瀬朱里に振られたんだって〜!?」


永瀬…って…


「あれ!?お前、前に振ったんだろ!?
あの永瀬妃佳里の妹だよな?
なんでそーなんの?」


「うるせーよ!」


「どうせ、振ったはいいけど惜しくなったんだろ〜?
永瀬、最近人気あるしな。
あー勿体ねぇ」


「違ぇよ!
かわいそうだから付き合ってやろうと思っただけだよ」


「でも振られてんじゃん。
ダセー」


「あんなの遊びだよ…っ

!?

な…!?痛ってぇっ…!?」


俺は思わず襟を掴んでいた。








< 71 / 86 >

この作品をシェア

pagetop