いとしいひと
とりあえず、朱里ちゃんの家方面へ向かった。
…電話した方がいいか?
出てくれるのか…
「ギャハハハハ」
その時、こっちへ歩いてくる高校生の集団。
はぁ…うるせーな。
しかも歩道占領して歩いてるし。
…しかも俺が行ってた高校だし。
こーゆーヤツらがいるから印象悪くなるんじゃねーか!?
朱里ちゃんが通ってる学校だから尚更気になった。
そんな事を考えていたら入って来た話し声。
「お前、永瀬朱里に振られたんだって〜!?」
永瀬…って…
「あれ!?お前、前に振ったんだろ!?
あの永瀬妃佳里の妹だよな?
なんでそーなんの?」
「うるせーよ!」
「どうせ、振ったはいいけど惜しくなったんだろ〜?
永瀬、最近人気あるしな。
あー勿体ねぇ」
「違ぇよ!
かわいそうだから付き合ってやろうと思っただけだよ」
「でも振られてんじゃん。
ダセー」
「あんなの遊びだよ…っ
!?
な…!?痛ってぇっ…!?」
俺は思わず襟を掴んでいた。