いとしいひと

愛しい人

カラン

「こんにちは…」


「いらっしゃいませ〜
あら？朱里ちゃん！？」


橋口さんのお母さんはいつ見てもキレイ。


「会いたかったわ〜

どうしたの？もしかして直志？？」


「あ…はい。もう帰って来てみえますか…？」


「まあ！！あの子ったら連絡もしないで飛び出したの！？
どこか抜けてるのよね…

…我が子ながら情けないわ」


「え？？？」


飛び出した？

意味がわからないよ。


「今はいないの。
大丈夫よ。絶対逢えるから。

…あんな息子だけどよろしくね？」


おばさん…？



〜〜〜〜♪♪♪♪


その時、携帯が鳴った。


………橋口さんだ。


「直志ね？
もう、遅いんだから！
…朱里ちゃん、出てあげて？」


そう言うおばさんはとても優しい笑顔で。


そのおかげで、あたしは少し落ち着く事ができたんだ。