Happy garden.【短編】
「んで、何が食べたいんや」
「わたし、何か作りますよ」
ベッドから立ち上がると、もったままだったグラスをキッチンに持っていく。
「作るって、冷蔵庫の中には何もないよ」
洗おうと蛇口に伸ばしかけた手を止め、振り返る。
「何もないの?」
慌てて冷蔵庫の前にしゃがみこむと、ドアを開けて中を見た。
(……なんだ、この冷蔵庫は)
そこには、缶ビールがぎっしり詰まっていた。
それほど大きい冷蔵庫ではないとはいえ、それがいっぱいになるほどの量。
1ダースは入ってない?
他には醤油やソース、ケチャップ、マヨネーズ。
水のペットボトル、牛乳。
食材は――ない。
そういえば、いつの間にか片付けられてるから忘れてたけど、
昨日はキッチンにカップ麺の空カップや弁当の空き箱があったんだった。
本当に全然自炊してないんだ。