【企】あんたなんて大ッキライ!!
「ここ……」
着いた先は前に来た高台
あの日と同じように夕日が街並みを照らしていた。
どこを見てもオレンジで。
綺麗な夕日に心奪われる。
『なんで…』
夕日に見とれていたあたしはその声で我に返る
『俺…お前になんかした?』
そう聞かれてもあたしは何も言わなかった。
裕貴は…何もしてない。
いや…あたしに、嘘をついた。
何もしてないワケじゃない。
『あー…あれか?
あの噂のこと??』
あたしはそれでも何も答えなかった。
裕貴…きっとあんたはあたしにいっぱい嘘ついたんだよね?
あの真っ白のヘルメット
あれもきっとあたし専用なんかじゃないんでしょ?
そしてこの場所
他にも何人かいる彼女とも来てるんでしょ?
『…………おい…っ』
知らない間に涙が溢れていた。
あたしは信じてたんだ。
あたしは裕貴の特別
裕貴と1番近いのはあたし
そう、信じてた。
だからあの噂を聞いたとき
ショックなんて言葉じゃ足りないくらいの衝撃を受けた。
いつも通りを装うのが精一杯で。
もう…我慢できなくなった。