【長編】Love Step~冷血生徒会長×天然娘の恋愛初心者ステップアップストーリー~
暁と響がその場にいる事は、とっくに頭から飛んでいた。

聖良の手を取って絆創膏だらけの指にそっと唇を這わす。手の平に指にそっと唇で触れ、想いを込めて白い包帯の上にもキスを落としていく。
この痛みを俺が全部代わってやれたらいいのに。

「痛かったよな。ごめんな…。俺、聖良を護りきれなかった。こんなに綺麗な肌に一生残る傷をつけてしまって…本当にごめん。」

「ううん、あたしにこうして触れていいのは龍也先輩だけだから…。このキズはあたしの勲章なの。龍也先輩以外の人から自分を護れたっていう証しだから。」

健気に微笑んでみせる聖良が愛しくてたまらない。
こんなに真っ直ぐに俺を見てくれている聖良の気持ちを、一瞬でも疑っていたんだと思うと恥ずかしくなった。
詫びるようにそっと聖良の髪に頬を寄せて瞳を閉じると、甘い花の様な香りがふわりと俺を包んで心を癒してくれる。

まるで俺の心を悟って許してくれているみたいだ。

まだ、もう一つ謝らなくちゃいけないことがある。それを片付けなければ俺達は元のふたりに戻ったとは言えない。
小さく息を吸い込んで一瞬だけ息を止める。その息を吐き出すのと同時に心の中を曝(さら)け出す様に口を開いた。

「ゴメン、聖良…。俺さ浦崎の言ったこと気にしていたんだ。

聖良は俺に無理やり彼女にされたってアレをさ。

前に嫉妬でキレた時にもう傷つけないって約束したのに…また同じような事…って言うか、あれより酷いことしてさ。俺ってサイテ―だよな。」

聖良が俺の胸に顔を埋めたままプルプルと頭を振って答えてくる。


その様子に安堵して、心の重荷を下ろすように大きく一つ溜息を付いた。



< 147 / 383 >

この作品をシェア

pagetop