【長編】Love Step～冷血生徒会長×天然娘の恋愛初心者ｽﾃｯﾌﾟｱｯﾌﾟｽﾄｰﾘｰ～

……教育って…

女の友情って、こういう時、スゲェ一致団結するんだなあ。

俺は何やらただならぬ雰囲気になってきた会話の内容を、感心しながら聞いていた。

「香奈は聖良と同じ中学だったんでしょう？
授業で性教育とかやらなかったの？」

｢やったよ。たしか２年の２月くらいだったと思うけど？」

「じゃあ、なんで聖良は知らないの？」

｢寝てたんじゃない？それとも純情すぎて気を失っていたとか？」

……気を失うって…
ありえねぇだろ

「ちがうよぉ。
多分インフルエンザで休んでいた時だよ。
でも、それじゃあ香奈はそんなに前から知っていたの？」

｢あたしだけじゃなくて、聖良以外の全員が知ってたってことよね？」

「ええぇぇぇぇ？！　マジでぇ？」


……面白い奴だな


「さあ、何から教育しようかしらね」

スゲー楽しそうに話している彼女の友達。

聖良にしてみれば悪魔だろうな

「……悪魔」

ははっ、やっぱり

「あたしの事より、そろそろお昼休み終わっちゃうよ。
早く片付けようよ。ね？」

キ～ンコ～ンカ～～～ン♪

予鈴が鳴った。

慌てて片付け始める気配がする。


バタバタと駆けて行く気配。


生徒会室の横を走って行く彼女たちの様子を
カーテンの隙間から覗き見る。



――あの娘か？――