【長編】Love Step~冷血生徒会長×天然娘の恋愛初心者ステップアップストーリー~
「龍也、おまえまだいたのかよ。帰らないのか?」

机に向かい合って座っているあたし達を見比べるようにして、その人たちは笑っている。

「それとも何?お邪魔だったわけ?」

そう言って笑った人をあたしは知っている。

確か高端先輩だ。

龍也先輩とは同じクラスで良く一緒にいるから覚えている。

うちの学校で有名なビケトリと呼ばれるの美形トリオの一人で、龍也先輩に負けないくらい、超美形の先輩だ。

「ばぁか、暁。先に帰っていいぞ。俺こいつに数学教えてるから」

「へえ、おまえが? 珍しいな、人に干渉するなんて」

「こいつが原因なんだよ」


そう言って包帯を巻いた手をあげて、ひらひらと振ってみせる。

あたしは申し訳ない気持ちになって視線を逸らすと
高端先輩とバッチリ目が合ってしまった。

「へぇ?あんたか」

高端先輩は何か言いたげに近付いてきた。

一旦龍也先輩を流し見てから、あたしに視線を向けると…

不意に顎を取られ上を向かされた。


突然の事にビックリして動けずに固まってしまう。
目を見開いたまま、パクパクと金魚みたいに口を動かすけど
驚きすぎて声も出なかった。

ジッとあたしを見つめてきた高端先輩は

ニヤッと一瞬龍也先輩を見て笑ってから

いきなり爆弾発言をした。


「ねぇ、俺とキスしてみる?」


……はい?




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