囚われのアゲハ蝶
「…カット…ありがとうございました」
申し訳なさと感謝が混ざった気持ちで素直にお礼を述べると、彼のいつもの可愛くないお小言が降ってくる。
「ったく、自分で髪切るなんて馬鹿じゃねーの?さっきの髪は昨日のお化け髪より酷かった」
また始まった、いつもの李音様の皮肉…。
少しこの腹が立つ悪口に免疫が出来たのだろうか?
「…悪かったわね」
と言い返すことが出来た。
そしてムスッと一人むくれていたら突然今までこっちを見向きもしなかったくせに初めてこちらを向いて一言
「だけど、お前のそれは似合ってると思う」
ニコッと優しく微笑んでくれた
それは初めて私に見せた笑顔。
急に素直になったようなそうでもないような気持ちの悪い李音様に戸惑いを感じ、つい私も可愛くない事を言ってしまう。
「……熱でもあるんですか?」
「てめぇ…人がせっかく褒めてやっているのに」
こめかみがピクピクと動く、すぐさまいつもの怒り口調に変わった。
うん、熱はないみたい、いつもどおりの彼だ。
そしてやっとお屋敷に帰ってきた時には時刻はお昼過ぎだった。
屋敷の前では薫さんが待っていた。
「お帰りなさいませ李音様、お食事の用意が出来ております」
ペコリと頭を下げ一礼する薫さん。
「あぁ、今食堂に行く」
ぶっきらぼうに答えると。
「それではお待ちしております、揚羽さんお手伝いお願いします」
「あっハイ」
慌てて返事をし、李音に一礼してから薫さんの後をついていった。
申し訳なさと感謝が混ざった気持ちで素直にお礼を述べると、彼のいつもの可愛くないお小言が降ってくる。
「ったく、自分で髪切るなんて馬鹿じゃねーの?さっきの髪は昨日のお化け髪より酷かった」
また始まった、いつもの李音様の皮肉…。
少しこの腹が立つ悪口に免疫が出来たのだろうか?
「…悪かったわね」
と言い返すことが出来た。
そしてムスッと一人むくれていたら突然今までこっちを見向きもしなかったくせに初めてこちらを向いて一言
「だけど、お前のそれは似合ってると思う」
ニコッと優しく微笑んでくれた
それは初めて私に見せた笑顔。
急に素直になったようなそうでもないような気持ちの悪い李音様に戸惑いを感じ、つい私も可愛くない事を言ってしまう。
「……熱でもあるんですか?」
「てめぇ…人がせっかく褒めてやっているのに」
こめかみがピクピクと動く、すぐさまいつもの怒り口調に変わった。
うん、熱はないみたい、いつもどおりの彼だ。
そしてやっとお屋敷に帰ってきた時には時刻はお昼過ぎだった。
屋敷の前では薫さんが待っていた。
「お帰りなさいませ李音様、お食事の用意が出来ております」
ペコリと頭を下げ一礼する薫さん。
「あぁ、今食堂に行く」
ぶっきらぼうに答えると。
「それではお待ちしております、揚羽さんお手伝いお願いします」
「あっハイ」
慌てて返事をし、李音に一礼してから薫さんの後をついていった。