鬼 鴉【総集編】
「……そう願いたいモンだネェ?」
「まったく、ですな」
ジェノスは、手を離すと妖艶な表情を浮かべ口を開く。
鬼人は笑顔を崩す事もなく、同意の言葉を発している。
どちらも、伊達にヒトの上に立っている人間ではない。
内面を見せず、見抜かれない事はそれだけ重要なモノである。
化かし合いは、引き分けというところであろう。
「では……、我々はコレにて引き取らせていただきます」
コレ以上の会話は無意味だと感じたジェノスは、表情を緩め、鬼人に軽く会釈をすると小船に向かって、優雅に歩き出すのであった。