討竜の剣
その目玉が、ギョロリとこちらを向く。

「人間か…」

「!!!!」

俺とナハトは同時に驚愕する。

喋った!?

再生竜が、俺達にもわかる言葉で声を発したのだ。

「どうした…人語を解する竜はそんなに珍しいか?」

再生竜は大きく鼻息を噴き出す。

「貴様ら若い者は…いや、この時代の人間は知らぬのだろうな…だがアイスラ辺りの学識ある者ならば知っているだろう…今でこそ強力な魔物としての認識しかないかもしれんが、竜種はそもそも高等な種族だ…最も神や魔王に近い存在とされる…太古に失われた知識や言語を使える者がいたとしても、何ら不思議ではないのだ」

「……」

この竜は、これまで討伐してきた竜種とはどこか違った。

遭遇するなり即座に戦闘になっていた竜達と違い、どこか理知的な一面を持っている。

もしかしたら、こいつは話の通じる奴かもしれない。

そう思った俺は。

「さて…小僧…貴様もこれまで何度も私の元に訪れてきた、素材欲しさの強欲な狩猟者と同種か?」

再生竜の眼に宿る凶暴な色で、すぐに考えを改めた。

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