討竜の剣
ナハトの命令で、ワイバーンは空中を飛翔する。

汚竜は三つの首をワイバーンに向けると、大きく口を開いた。

そこから吐き出したのは、強烈な臭気を放つ酸の液!

汚竜の全身を覆う粘液と同様の性質を持つ液体だ。

直撃すれば人間など瞬時にして骨まで溶かされてしまうだろう。

ナハトは巧みにワイバーンを操りながら、汚竜の酸を回避する。

…どうやらワイバーン自体には、さしたる攻撃力はないようだった。

仮にあったとしてもこの体格の差だ。

汚竜に敵うとは思えない。

所詮は街の煉瓦を元に生み出したワイバーンのゴーレム。

人形は人形でしかない。

「アキラ…よく聞いて…」

ナハトが俺に語りかけてくる。

「まともに戦っていては…汚竜は倒せない…いくら何度でも甦る討竜の剣でも…分が悪すぎる…」

「だったらどうするんだよ?あの化け物相手にどうやって…!」

焦る俺に、ナハトはまたも鞘を指差した。

「その鞘には…剣を甦らせる以外にも効果がある…」

この…再生竜の角の鞘に…?

理解できないといった表情を見せた俺にナハトは言う。

「思い出して…再生竜はどんな傷でも再生させる…腐蝕した剣すら甦らせる…言い換えれば、どんなものでも元の姿に再生させるという事…つまり…」

彼女が言いかけたその時!

「!!!!!!」

汚竜の放った酸がワイバーンに直撃!

俺とナハトは空中に放り出され、そのまま湖へと転落した!

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