討竜の剣
「今のは…!」

俺がその事に気づくとほぼ同時だった。

逃げる俺達と、追跡する駆竜の群れ。

その間を割って入るように。

「!!!!」

巨大な魔物の首が、ぬぅっともたげられた。

山岳地帯へと続く道の途中。

岩と岩の間から伸びてきた魔物の首。

その魔物は俺達には見向きもせず、先頭を走っていた一匹の駆竜に食らいつく!

悲鳴を上げる駆竜。

魔物は気にする様子もなく、咀嚼音を立てて駆竜の体を噛み砕いた。

骨も、肉も、全て噛み砕いて飲み込んでしまう。

「……」

俺とナハトは、自動二輪を止めてその様子を見ていた。

仲間の敵討ちとばかりに次々と魔物に襲い掛かる駆竜の群れ。

だが魔物はその攻撃を意に介する様子もなく、二匹、三匹と飲み込み、満足したのか残る駆竜は全て貫いてしまう。

その額にある、鋭利な一角によって。

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