討竜の剣
ナハトが体調を整えるには、それから更に丸一日を要した。

彼女達ドーラの民は、そもそもファイアルの人間のように高い体力を持っている訳ではない。

科学に頼りすぎるあまり、基礎体力は若干低いと考えてもいいだろう。

そんなナハトが長時間の鍛冶仕事というのはかなりの重労働だったに違いない。

目を覚ましたナハトは、俺の集めてきた情報を真剣に聞く。

「牙竜がさ迷う性質を持つというのならば…早めに仕留めた方がいい…見失うと…所在を掴むのに手間取る」

それは俺も同意見だった。

只でさえ生息地の知られていない希少種の竜だ。

どんな些細な情報でも、手掛かりになると考えた方がいい。

それに。

俺はナハトの鍛えた剣を手に取ってみた。

刃幅、刀身の長さ。

どちらも『大剣』に分類されるサイズ。

なのにその重量はレイピアと然程変わらないようにも思える。

それでいて切れ味は並みの剣の比ではない。

これが竜種の素材で鍛えられた剣。

まさしく名剣と呼ぶに相応しい逸品だった。

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