討竜の剣
「フン」

ナハトの手から皮袋をしゃくり取るクラーゼ。

だがそれだけでは飽き足りないらしい。

「おい、そこの平民」

彼は俺の方にも手を差し出す。

「その背中の剣も差し出せ。貴様ら平民に、そのような逸品は過ぎた品だ」

「…話を聞いてくれ」

俺はクラーゼに言った。

「今ドーラは…ナハトの故郷は、汚竜っていう魔物に滅ぼされつつあるんだ…このファイアルの土地から迷い込んだ竜種によって、大きな被害を出している…人死にも出ているんだ。この剣が俺の身に余るって言うなら差し出す…その代わり、あんたら貴族がその手で汚竜を…」

「知るか」

クラーゼは俺の言葉を一笑に付す。

「ドーラの民が何人野垂れ死のうと知った事ではない。さぁ、その剣を黙って渡せ」

「……」

俺は背中の剣に手をかける。

そして。

「やだね」

「!?」

剣を抜くと同時に一閃!

クラーゼの手の中にある皮袋を峰で打ち、皮袋が空中に舞い上がった所で。

「よっと」

跳躍してキャッチした。


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