討竜の剣
クラーゼが、槍兵達が身構える。

「小僧、貴様!」

「この腰抜け貴族が」

俺は剣の切っ先をクラーゼに向ける。

「弱い立場の者を…苦しむ民を救わないで何が貴族だ、何がファイアルの民だ!お前みたいな腰抜け、ファイアルの恥なんだよ!」

「おのれ…!」

クラーゼはすかさず槍兵達に指示を出した。

「小僧を捕らえろ!手足は傷つけても構わんが殺すな。奴は俺がこの手で嬲る!貴族を侮辱するとどうなるのか、たっぷり教えてやる!」

その言葉に槍兵達が動き出すが。

「うわっ!」

「うぐぅっ!」

その動きは銃声によって封じられた。

森に轟く数発の銃声。

ナハトのライフルによるものだった。

彼女の射撃は的確に槍兵達の足…甲冑の隙間の関節部を撃ち抜く。

「…そのまま倒れていて…抵抗しなければ…命までは奪わない…」

何て精密な射撃だ。

俺はナハトの射撃の腕前に内心舌を巻いていた。

ともあれ、いともあっさり形勢逆転。

クラーゼはたった一人取り残される。

「どうするんだ?クラーゼ」

俺は切っ先を突きつけたまま言った。


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