背伸びKISS



近くにあった柱に持たれかかって、「はぁ」とまた一つため息。



……あの女の人が言ったことは、あたしが1番恐れていたことで。


核心をつかまれたみたいで怖かった。

"あんたなんかに篤弥は似合わない"と言われているようで。


あたしはコドモで、
篤弥はオトナなんだと
痛感させられた。




……もう別れた方がいいのかな?



あたしなんかよりも
もっと篤弥に似合った人がいるはず。



……もっと綺麗でオトナな人が。





「あれ?彼女一人~?」

チャラついたギャル男二人が近付いてきてあたしの周りを囲むように止まった。



これはもしや
世間でいうナンパってやつですか?


ど、どうしよ。


ナンパなんてされたの初めてだしっ。



「え、あの…」


「まぁまぁ、ここじゃなんだから移動しようよ?ね?」


断る勇気もないし
ナンパの対処方なんて知らない。




……でも、もう篤弥とも別れるって決めたんだから。


新しい出会いってのもいいかもしれない。




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