背伸びKISS
肩を抱かれ、誘導されるように足を進めた。
辺りはもうすっかり
日も落ちてしまって
観覧車も夜の姿に形を変えた。
輝くネオンが眩しくて
思わず目を細めてしまう。
……篤弥、心配してるかな。
いきなりいなくなっちゃったからな……。
篤弥はいつだって
こんなコドモなあたしに優しくしてくれた。
意地悪な時もあるけど、あたしがへそを曲げていると
「ほら、話してみろって」
そう言って、いつも
あたしの頭を優しく撫でてくれるんだ。
……それも、とびきり優しい瞳で微笑んで。
あたしはそんな
篤弥が大好きだった。
……ううん、今も、好き
大好き。
こんなコドモな
あたしと一緒にいてくれた貴方が―――…
「……っ、美琴!!」