背伸びKISS



―――え?



確かに今、篤弥の声がした。


あたしの名をよぶ、篤弥の声が。




まさか、見つかった?


……ううん、そんなわけない。



ここの遊園地は広くて有名だし、あたしは篤弥と別れた休憩所からだいぶ走ってきたから…


おまけにこの人の山と暗さ。


わかるはずがないんだ。

聞き間違い、だよね…?




「美琴っ!!!」


「きゃ…っ」



近くで声が聞こえたかと思うと



後ろから腕を強くひっぱられ、あたしの体は反転し、


そのままあたしの体は勢いよく引き寄せられた。



「あ、つや……」


目の前にいるのは紛れもなく篤弥で。


目を見開いて驚いているあたしを冷たい目で見下ろす。




< 14 / 24 >

この作品をシェア

pagetop