背伸びKISS
―――え?
確かに今、篤弥の声がした。
あたしの名をよぶ、篤弥の声が。
まさか、見つかった?
……ううん、そんなわけない。
ここの遊園地は広くて有名だし、あたしは篤弥と別れた休憩所からだいぶ走ってきたから…
おまけにこの人の山と暗さ。
わかるはずがないんだ。
聞き間違い、だよね…?
「美琴っ!!!」
「きゃ…っ」
近くで声が聞こえたかと思うと
後ろから腕を強くひっぱられ、あたしの体は反転し、
そのままあたしの体は勢いよく引き寄せられた。
「あ、つや……」
目の前にいるのは紛れもなく篤弥で。
目を見開いて驚いているあたしを冷たい目で見下ろす。