クライシス
十二月二十四日十八時四十分大阪市中央区
由香が仕事を終えた時に調度、高田が現れた。
「鈴宮さん、そろそろ行こうか?」
高田が言う。
「はい」
そう言って由香は笑顔で頷いた。
男女八人で会社を出た。外はすっかり夕闇に包まれて、風が冷たい。地下鉄に乗って梅田の街に出る。
梅田の街はクリスマスイブなので人でごった返していた。
「うわあ人が多いな」
誰かが呟いた。
その時、由香の携帯が鳴った。画面の着信を見た時に目を見開く。
雄介……!
由香は何度か携帯の画面と高田を交互に見比べてしまった。そして、留守電に落ちる瞬間に画面をタップした。
「もしもし?」
『もしもし、久しぶり』
一ヶ月振りの雄介の声であった。
「久しぶり、ちゃうわ!どうしてたんよ?」
由香が思わず声を上げた。その声に会社の人達が由香を見た。由香は少し皆から離れて喋る。
『スマン、色々と忙しかったから』
「忙しくてもメール位出来るやろ?それだけちゃう、出来なくても見る事は出来るんちゃうん!」
『だから、ゴメンって」
「ゴメンちゃうわ!」
由香は怒っているが、心の中では喜んでいた。雄介の声が聞けて嬉しかった。
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