クライシス
保衛省の車は後から続々と現れた。十台の車が誰もいない無人駅に到着した。そして、中から制服を着た保衛員がサブマシンガンを構えて降りて来た。
 だが、雄介は慌てない。ゆっくりと立ち上がり、自分が持っている銃を指でぶら下げながら両手を上げて駅から出て来た。サブマシンガンを構えた兵士達が全員自分を狙っている。
 まるで映画のワンシーンみたいだな。雄介はそう思った。
「銃を捨てろ!」
 一番偉そうな保衛員が叫んだ。
 はいはい、捨てますよ。雄介は銃を捨てた。
「よし、捕らえろ!」
 そう叫ぶと保衛員が一斉に飛び掛かる。雄介は大人しく、手錠を掛けられた。抵抗は一切しない。雄介はそのまま車に乗せられる。もうどうでも良かった。
 車は雄介を乗せると走り出した。隣の保衛員に雄介は話しかけた。
「どこ行くの?」
 だが、彼は何も喋らない。
 とりあえず、尋問の前に薬を飲めば良いか。雄介はそう思った。
 車は山間を抜けて、小さな町に出た。ホントに小さな町だった。
 そこで停まると保衛員が雄介に銃を突き付けて「降りろ」そう言った。
 銃を突き付けて無くても降りるよ! 雄介はそう思った。
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