クライシス
―― 一月三日七時十五分 日本海北朝鮮との領海付近――
 イージス艦ひえいの中では着々と雄介救出に向けて準備をしていた。
 救出作戦は、この領海付近からはイージス艦では無くてヘリコプターで北朝鮮の海岸部まで飛んで行く。
 このイージス艦にはKH‐60kと言うヘリが搭載されている。今ひえいが停泊している付近からは二時間程で雄介の救出ポイントまで向かえる。流石に、イージス艦自体を北朝鮮の領海内に入れるのは危険だからだった。
 出動に備え、ヘリの整備士達がせわしなく動き回っていた。その時、ビー!と言う音が鳴り響く。富山艦長が反応した。
「何事だ?」
「左舷四十五度に船影あり!」
「なに?」
「戦艦級……羅津級フリゲートです!距離およそ5000!」
 その言葉に富山艦長は制帽を握りしめた。
「奴ら主力艦を出してきやがった!このままではヘリを出せん。面舵九十度に進路を取れ!」
「了解!」
 船は方向を変えて、北上をした。
「フリゲート艦追尾して来ます!」
「振り払え!」
 公海上なので、相手も攻撃が出来ない。
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